知られざる日米の違い
日本では「サーティワン」の愛称で親しまれているあのアイスクリームショップ。カラフルでポップな店内、毎月登場する新しいフレーバーに心躍らせた経験は誰にでもあるのではないでしょうか。しかし、この「サーティワン」、実は海外では通じないかもしれません。

「サーティワン」呼びは日本だけ?アメリカでの本当の名前
日本では「サーティワン」という名前がすっかり定着していますが、アメリカをはじめとする海外では、創業者であるバート・バスキン (Burt Baskin) とアーヴ・ロビンス (Irv Robbins) の名を取って「Baskin-Robbins(バスキン・ロビンス)」と呼ばれています。
お店のロゴをよく見てみてください。「B」と「R」の文字が組み合わさっており、その中にピンク色で「31」という数字が隠されています。これは、バスキン・ロビンスの有名なコンセプト【1ヶ月(31日)間、毎日違ったフレーバーのアイスクリームを楽しんでもらいたい】という想いが込められているのです。
日本では、この象徴的な数字「31」をブランド名として採用し、親しみやすい「サーティワンアイスクリーム」という名前で展開されました。もしアメリカの友人に「Let’s go to 31!」と言っても、キョトンとされてしまう可能性が高いので覚えておきましょう。
正しくは「Let’s go to Baskin-Robbins!」です。
バスキン・ロビンスの歴史と日本上陸
バスキン・ロビンスの物語は、1945年にアメリカ・カリフォルニア州のグレンデールで始まりました。アーヴ・ロビンスがアイスクリームショップを開き、その後、彼の義理の兄弟であるバート・バスキンも加わって、共同で事業を展開していきました。当時としては画期的な、たくさんのフレーバーから選べるというスタイルが人気を博し、世界最大級のアイスクリームチェーンへと成長していったのです。
日本への上陸と第1号店
日本にバスキン・ロビンスがやってきたのは1973年。株式会社不二家との合弁会社「ビー・アールジャパン株式会社」が設立されたのが始まりです。そして記念すべき日本第1号店は、1974年に東京の目黒にオープンしました。現在も場所を変えながら「目黒店」として営業しており、多くのファンに愛され続けています。
ここが違う!日本とアメリカのバスキン・ロビンス
同じバスキン・ロビンスでも、国が違えばメニューやサービスにも違いが見られます。

項目 | 日本 (サーティワン) | アメリカ (Baskin-Robbins) |
呼び名 | サーティワン | バスキン・ロビンス |
人気フレーバー | ポッピングシャワー、ラブポーションサーティワン、抹茶、大納言あずき | Pralines ‘n Cream, Mint Chocolate Chip, Jamoca® Almond Fudge |
限定フレーバー | 桜、白桃など季節感あふれるフレーバーや、アニメ・キャラクターとのコラボ商品が豊富 | 感謝祭の時期に登場するターキー(七面鳥)型のアイスクリームケーキなど、ユニークな商品が登場 |
サイズ表記 | キッズ、スモール、レギュラー、キング | Kids, Single Scoop, Double Scoop, Triple Scoop |
特にフレーバーのラインナップには、それぞれの国や地域の好みが色濃く反映されています。「抹茶」や「大納言あずき」といった和のフレーバーは、日本ならではの人気商品です。一方で、アメリカでは「Pralines ‘n Cream(プラリネ アンド クリーム)」のように、ナッツやキャラメルを使った濃厚なフレーバーが根強い人気を誇ります。
海外のバスキン・ロビンスで使える!注文英会話フレーズ
海外旅行中にバスキン・ロビンスを見つけたら、ぜひ立ち寄ってみましょう!英語での注文も、ポイントを押さえれば簡単です。
1. サイズを選ぶ まずはサイズを伝えます。
- “Could I have a single scoop, please?” (シングルを一ついただけますか?)
- “I’ll have a double scoop.” (ダブルにします。)
2. カップかコーンか選ぶ 次に、容器を選びます。
- “In a cup, please.” (カップでお願いします。)
- “In a cone, please.” (コーンでお願いします。)
コーンの種類を聞かれたら: “Sugar cone” (シュガーコーン) や “Waffle cone” (ワッフルコーン) などがあります。
3. フレーバーを選ぶ いよいよフレーバーを選びます。
- “I’d like Chocolate Mint and Vanilla.” (チョコレートミントとバニラをお願いします。)
4. 味見をしたい時 (Try a sample) どの味にしようか迷ったら、気軽に味見をお願いしてみましょう。ピンク色の小さなスプーンで試食させてくれます。
- “Can I try this one?” (これを試食できますか?)
- “Could I taste the Pralines ‘n Cream?” (プラリネアンドクリームを味見できますか?)

【注文の会話例】
You: “Hi, can I get a double scoop in a cup, please?” (こんにちは、ダブルをカップでいただけますか?)
Staff: “Sure. What flavors would you like?” (はい。どのフレーバーになさいますか?)
You: “I’ll have Cookies N Cream and… hmm, can I try the Jamoca Almond Fudge?” (ミントチョコレートチップと…うーん、ジャモカアーモンドファッジを味見できますか?)
Staff: “Of course. Here you go.” (もちろんです。どうぞ。)
You: “Thank you. It’s good! I’ll take that one too.” (ありがとう。美味しい!じゃあそれもお願いします。)
「サーティワン」が和製英語であること、そしてその由来やアメリカとの違いを知ることで、より一層あのアイスクリームが身近に感じられるのではないでしょうか。日本独自のフレーバーを味わうのも良いですし、海外へ行った際には、現地のバスキン・ロビンスで日本にはない味に挑戦してみるのも楽しい経験になるはずです。
次にサーティワンへ行くときは、ぜひロゴに隠された「31」の秘密や、遠いアメリカで生まれた歴史に思いを馳せてみてください。そして、この記事で学んだフレーズを使って、いつか本場の「Baskin-Robbins」でスムーズに注文できる自分を想像しながら、英語学習のモチベーションを高めていきましょう!